本の紹介「私のだいじな場所〜公共施設の市民運営を考える〜」

hino-katsuaki2006-03-21

 興味深い本の紹介です。
 「私のだいじな場所〜公共施設の市民運営を考える〜」という本です。
  *本の内容紹介・申し込み等は、
   http://machiken.org/mk/modules/news/article.php?storyid=74


 昨今、「市民との協働」「パートナーシップ」「新しい公」などの
きらびやかな言葉の下、公共施設等の運営・行政サービス提供を住民に
任せようとの試みが全国各地の自治体で見られます。


 「住民自治」という“建前言葉”で言われると、なるほどとも思いますが、
実際は「行政の責任を住民におしつける」狙い・側面が大いにあり、無条件に
受け入れられないものと考えています。


 さて、この本のことです。
 サブタイトルの通り、「市民運営」がなされている各地の公共施設について、
その実態を調査・報告したものです。
 もちろん、「市民運営」を好意的にとらえる立場からの記述ですが、
「どうやって市民運営がうまくいくようになったか?」等、非常に核心に触れる
部分を鋭く指摘しています。


 私なりに感じたポイントは、

 ・利用者が、「単なるサービスの利用者」との意識をもっていては市民運営は
  できない(当たり前ですが)。
 ・利用者が、同時に「運営者」という意識をもたなければだめである。
 ・そのためには、それぞれの公共施設を「自分の居場所」と強く意識する
  “当事者”が一定数必要である。
 ・そのような“当事者”たちが、自分たちだけではない外部に向って働きかけ
  出した時、「開かれた市民運営」が実現する。

といったところでしょうか。


 3月18日(土)、この本を出版した「NPO法人 市民活動情報センターハンズオン埼玉」
の集まりに参加しました。
 執筆を担当した方が多数参加しており(自治体の公務員の方が多い?)、この本を
作成する際の“雰囲気”を感じることができた気がします。


 本だけでなく、関係した“人”からも学んでいきたいと思います。