「森林における放射能除染」と「森林資源の活用」

「明らかになる除染の限界 森林の放射性物質が再飛散!?」
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20111202/110121/?ST=rebuild


今日のネット記事です。
福島では、除染が進められていますが、一部の地域では都市部・居住地で除染を進めるだけでは
完全とは言えず、3月時に飛散した放射性物質を蓄積している森林地域の除染を進めなければ、
落葉や降雨等で森林以外にも影響が出る、との指摘です。


12月9日のこのブログにも載せましたが、12月18日には池袋にてジャーナリスト・西尾漠氏をお招きして
の講演会を開催します。
こういった、新たに指摘されつつある問題についても、是非伺ってみたいと思います。
質問時間も十分に確保する予定ですので、放射能問題についてご関心のある方は是非ご参加ください。


ところで、この森林地域の除染の必要性、実は一月ほど前のある会で伺う機会がありました。
何人かの首長が集まっての、政策提言を行うための準備的な会合だったのですが、そこで、福島県
某市長から、このようなお話を伺い、認識を新たにしました。


もっとも、この話が出たのは、除染等が“本題”の場ではなく、「日本の森林資源をいかに有効に
活用するか?」というテーマにつき、林野庁関係者の話を交えての席でした。
植林によって“適齢期”を迎えた森林資源が国内で増えており、世界市場で見て、日本の木材に
“活路が開ける”チャンスが出つつある、だからこそ、市場で十分に戦える効率的・合理的な産業化を
めざして、路網の整備(日本では、林道の整備が不十分なため、せっかく木材を伐採しても、運搬に
コストがかかる)や加工・流通体制の確立等が必要だ、といった議論の中で出された話でした。


この時、上記の“国策”の話に耳を傾けていた某市長の発言が非常に印象的でした。
内容は、
 ・当市では除染の問題が最大課題だが、都市部・居住部において、除染をしても放射線量がなかなか
  低下しない地域がある。
 ・原因として考えられるのは、その地域に接する森林部であり、その森林部の除染が必要である。
 ・ところが、森林部の除染は難しい。
 ・国が森林資源の活用・林業の再生に向けて諸資源を投入するというのなら、正に今、森林部の
  除染が必要な地域で、除染と一体化して進めれば、“一石二鳥”の効果が期待できるのではないか?
(以上は私の理解をもとに、発言を要約し、私の言葉でまとめました)
というものでした。


私が注目したのは、単に目の前の一課題を追うだけでなく、いかなる時でも複数の課題を念頭において、
チャンスを常に追いかける姿勢です。
このような姿勢があってこそ、「自治体経営」という言葉が生きてくるのではないかと、改めて考えた
次第です。


この市長、以前から注目していましたが、今後の当市の動きには一層注意をはらっていきたいと思います。