大阪ダブル選挙の意義とは?

大阪府知事選と大阪市長選が同時に行われる、いわゆる「大阪秋の陣」。
マスコミでは、「横暴な橋下氏による暴走」みたいな取り上げ方が多いと感じますが、
構造改革」という意味で大きな意義があるのではないかと注目しています。


と考えていたところ、昨日、ネット上で以下の記事が紹介されていました。
   ↓
http://diamond.jp/articles/-/14698


この記事によれば、大阪府大阪市は、中途半端な広域自治体である大阪府
強すぎる基礎自治体である大阪市との間での、「府市合わせ」(ふしあわせ⇒不幸せ?)な
関係にあるとのこと。
そして、このような「大都市を制度上どう位置づけるか?」という問題は、大阪だけでない
全国的な問題であり、その合理的な解決モデルにつながっていく可能性があるという意味で、
「大阪ダブル選挙は、価値が大きい」としています(私の理解)。


東京で地方行政に関係している私が注目するのは、「大阪の改革」が
「合理的な東京モデルをつくること」に役立つのではないかという点です。
ご承知のように、東京は、大阪(というより、橋下氏など)がめざす「都」です。
しかし、今の形が本当に合理的かと考えると、大いに“改良余地”があるのではないか?
23区を見た場合、この狭いエリアに23もの自治体がフルセットモデルを競い合って林立して
いるのは、非合理的ではないでしょうか?
政治的に各区が独立するのはよしとしても、各区が展開する様々な事業を「合理的にまとめる」
方が、コストや効率性等の面で大きなメリットがあるのではないか?


このような観点から「大阪の今後」を見た場合、制度論だけでなく、「大阪市の事業を、どうやって
合理的に改革するのか?」という点で、大いに期待できるのではないかと考えています。


もう一つ、私が注目するのは、「政治が制度を変える」という、ごく当たり前の“社会現象”が
改めて国民の間に認識されるのではないか、という点です。


現時点ではあくまで“期待”ですが、大阪府大阪市の首長と議会が“橋下色”に染まった
場合、法改正を待たずして、少なくとも現実の動きとして、「大阪都」が始動できるのではないか?
そして、一旦始動してしまえば、国の法改正をリードできる可能性があるのではないか?
こう考えると、制度改正を掲げて民意を問う今回のダブル選挙、これまでのような
「政策の適否を問う」といったレベルの選挙ではない、革命的な意味を有する選挙になる可能性が
あります。


「自分の一票が世の中・制度を変えるかもしれない」と考えれられる点、今回の選挙の当事者となる
大阪府民・大阪市民の方々は“幸せ”(⇔ふしあわせ)と言えるかもしれません。