ボーイスカウト活動の意義について

昨日までの一泊二日で、子どもが属するボーイスカウトの夏キャンプに参加してきました。


子どもは小5なので「カブスカウト」ですが、今夏の我が団(豊島6団)のキャンプは、
団創設60年を記念して、ベンチャー隊(中3〜)と合同でのキャンプとなりました。
これまでのキャンプが「子どもと大人だけ」とすれば、今回は「子どもと大人」に
「大人未満」(ベンチャー隊の皆さん、失礼します)が加わる形となり、雰囲気が変わった
だけでなく、「ボーイスカウト」の意義みたいなものが改めて理解できた気がします。


1.異年齢間の交流を有意義にするには、共通の価値観とミッションが必要!


  子どもの間で同世代同士の交流しか見られなくなる中、異年齢間の交流の必要性・意義
  に関する話をよく耳にします。
  これは確かに重要なことですが、その交流の場が単に異年齢というだけでは、意義が
  大きいとは言えないのではないでしょうか?


  今回のキャンプ中、実に様々な場面でカブスカウトの面々とベンチャーの“お兄さんたち”
  との交流の場面がありましたが、「ボーイスカウト」という一つの共通の「強い価値観」
  がお互いにあるからこそ、「ビシっとしなければならない場面」では規律の強制(?)が
  できるのだと思います。
  また、ふざけあう場面にしても、「ボーイスカウトの価値観」という共通の“規範”が
  あるからこそ、「公私間での抑制の効いた関係」が維持できるのだと思います(ただ、
  年齢が低いほど、この“規範”に対する自覚が足りないので、関係の維持に向けて“指導”
  されますが)。
  そして、上の世代から下の世代にこのような価値観を引き継いでいくのが、
  「ボーイスカウトという組織」の中での大きなミッションになっています。


  同じ異年齢間の交流として、地域の集まり等があり、それはそれで様々な良さがありますが、
  当然のことながら上記のような「中心となるべき強い価値観」はありません。
  だからこそ、様々な「触れ合いの場面」での“踏み込み”が今一つ弱くなるのではないで
  しょうか?
  もっとも、上記の“踏み込み”の強さを嫌う親・子どもも多いように思われるので、
  ボーイスカウト等とは異なる「弱いつながり」にも、小さくないニーズがあるとも言えますが・・・


  今回のキャンプの風景からこんなことを感じました。


2.スカウトの仲間内での余興・芸は、実社会に大いに役立つ!?


  毎度のことですが、夜のキャンプファイアーではスタンツと呼ばれる即興劇をはじめ、様々な
  “出し物”を各人が演じることになります。
  今回の我が団のキャンプでは、この役割の大半をベンチャー隊の面々が仕切ったり担ったり
  してくれました。


  間もなく社会人となるはずの彼らが大真面目にバカを演じる(?)姿を見ていると、このまじめ
  な“演技”に非常に関心させられました。
  こんな演技ができる彼らは、「有能な社会人」になれる!?  


  社会に出ると、「意識してバカを演じなければならない」場面が大なり小なり出てくることは
  誰でも経験していることです。
  誰でも経験するが故に、様々な「バカの演じ方」があるはずですが、ベンチャー隊の面々が
  「演じるバカ」は、基本的に「ボーイスカウトという価値観の範囲内で許される」ものですから、
  見ていて、嫌らしさというか「人間のマイナス面」を感じさせないもののように思われます。
  (子どもにも見せる“バカ”ですから、当然と言えますが)


  これと比較すると、我々が日常の実社会で出くわす「バカの演じ方」にはなんと卑小なものが
  多いことか(特に、宴会等の場で)!
  「まじめにバカを演じた」経験が少ない故か、「バカを演じる」となると、いわゆる「下ネタ」
  や他人の揶揄に流れる傾向が強いと言えないでしょうか?


  実社会に出る前に、「嫌らしさのない、真面目なバカの演じ方」を図らずも訓練していることは、
  いざ社会人となった際、相手に品格(?)を感じさせる貴重な“予行演習”になっているのでは
  などと発見した次第です。


今回のキャンプ、私にとって、以上のように大きな収穫がありました。
せっかくですから、もっと“極意”を盗もうと考えています。