豊島区の新庁舎計画-問題点のまとめ(8)
今回は、「そもそも、庁舎とはどんなところだと考えるべきか?」という点です。
まず、区ではどう考えているか?
これまでの説明資料によれば、今回の庁舎は、
「世界に誇れる環境庁舎」
「(区・区民にとっての)シンボル」
なのだそうです。
この「庁舎の問題」を考えるに当たり、様々な方々の意見を伺いましたが、意外にこの手の“口車”に
乗せられる人が多いことを実感しています。
さすがに以前のような「豪華庁舎を!」という方はほとんどいないものの、
「庁舎は、他の自治体と比べて恥ずかしくないものを!」
「自治の拠点と」すべき!」
などと考える(というか、こういった雰囲気に乗せられる?)人が多いということです。
でも、この考え、果たして“正しい”でしょうか?
「そもそも庁舎とは何か?」と考えると、庁舎はあくまで区政の事務の拠点であり、行政の諸機能・
区民への行政サービス提供機能を果たすところで、それ以外の何物でもないはずです。
だから、それらの機能さえ合理的・効率的に果たせればそれでよいはず。
そこに「シンボル」などといった概念を持ち込むのは、単なる建物に余計な“幻想”を背負わせる
ことになります。
このように「庁舎を神聖化する」方々、庁舎を昔のお城か何かと勘違いしているのではないでしょうか?
だから、このような感覚、時代遅れのナンセンスな感覚とも言えましょう。
さらに言うなら、こういった庁舎をシンボル化することの結果、庁舎にどんどん「不必要な機能」が
追加され、水ぶくれの庁舎となっていくのではないでしょうか?
今回の庁舎計画を見ても、
・環境学習の場としての屋上庭園
・区民の活動の場所としての区民ひろば
など、はっきり言って不要です。
庁舎は学習の場ではないし(学習するなら、多額のお金をかけてわざわざ庁舎にその場をつくらず、他に
行けばよい)、「区民が活動する」なら、自分の地域の施設を利用すればよい(わざわざ交通費と時間を
かけるのはムダ)、となります。
もっと合理的にモノを考えるべきです。