豊島区の新庁舎計画−問題点のまとめ(6)

前回の「好ましくないマンション入居者」の問題についての論点の追加です。


入居者としての立場で何らかの不適切な行為があった場合は、確かに「マンションの規約で何とかなる」
かもしれませんが(「あらゆる事態」の想定が仮にうまくいったとして)、「区民の立場」で区に対して
の権利主張(「過度」或いは「適切と言えない」)をしてきたらどうなるでしょうか?
「同じ住所地にある」「エレベーターで直通」の区が“便利に使われる”等の恐れはないでしょうか?


この点に関し、一つ考えられるのは、“集団で”このような行動に及ぶケースです(個人が偶然集まる
というより、○○グループ・○○団などとして)。


基本的に今回のマンションの販売は、「参加組合員」としてひとまず分譲マンションを買い取った2社が販売
します。
仕入れ値”は一定の額ですが、“売値”はこの2社が自由に決められます。
  *税金が投入されているのに(=区の出費・その他の補助金)、「いくらでも利益を得てよい」という
   仕組みの問題はひとまず置いておきます。
高く売れば売るだけ、この2社の利益は大きくなります。
ですから、この分譲マンションは「いくらでもお金が払える人」ほど、自由に買えるはずです。
(最初は一定額での抽選などとなり、「お金のある人ほど」とならないかもしれませんが、転売を考えた
場合、きっとこうなります)


そうすると、誰がこのマンションを買うかわからない。
その中には、購入目的自体が「善良な居住」ではない人がいる −かもしれない−。
もしその人(人々)がカネにものを言わせて複数の住宅を取得することもある −かもしれない−。
今回のマンションは何百世帯もあるのですから、そのような人たちが管理組合の実権を握る −かもしれない−。
管理組合は自治会を構成し、何百世帯の自治会は、町会となるに充分な資格があります。
そうすると、「町会の立場」で「区民としての要求」が出てくることは当然であり、その要求の中に
「望ましくない要求」が出てくることもある −かもしれない−。
*これらが高じて「高値での買い取り要求」などとなった場合がそれこそ「最悪のケース」でしょう。


上記は文字通り「−かもしれない−」ケースですが、今回のマンション型庁舎においては、仕組み上このような
ケースも考えられるのではないでしょうか?


実は以上のケース、昨日、区が主催する新庁舎説明会の最中に突如思いついたので、「最後のご質問の方は?」
と言われたので質問してみました。
区側の回答の結論は、
 「そんなに悪い人は(マンションに)入らないと思います」
だそうです。
この答えを聞いて、説明会の参加者のほとんどが笑っていました(失笑?)。


「人間をどう見るか?」は個人の自由です。
性善説の人もいれば、性悪説の人もいます。
しかし、あらゆる考えの人間に対応していかなければならない“役所”がこのような“人間観”でよい
のでしょうか?


豊島区の“危機管理”は大丈夫?