豊島区の新庁舎計画−問題点のまとめ(4)

続いて、庁舎計画に付随する、「庁舎そのものではないムダ」についてです。


簡単に言うと、新庁舎計画の名の下、その“どさくさに紛れて”ムダと思われるハコモノ
(と、私は思います)をつくる話のことです。


具体的に言うと、計画の中にある「健康センター」です。


区民の方からの指摘もあまりないようですが、なぜか「新庁舎をつくる」という計画の中に、全く別の
場所の「健康センターをつくる」という計画が“セットで”入っています。
もちろん、その総工費22億円は、新庁舎関係の支出の中にしっかり組み込まれています。


この健康センター、一体何をするところなのか?
そして、健康関連の施設として、豊島区には既に、
  池袋保健所
  長崎健康相談所
  健康診査センター
  3つの保健福祉センター
  8つの高齢者総合相談センター
等があるのに、新たに“センター”をつくる必要があるのか?


こんな疑問は当然浮かぶところですが、実は、これらに対する的確な答えはまだ示されていません
(私の認識)。


2007年ぐらいからこの名前が新庁舎計画以外でも頻繁に出てくるようになったのですが、
「何をするところか?」についての説明がくるくる変わっています。
たぶん議会の中で最もこの問題についての指摘をしているのは私なのでよく覚えているのですが、
最初に聞いたときには、
 「介護予防」「食育の推進」など
と言っており、具体的な中味として、
 「オーガニックレストラン」「3Dで映像を見せる」
など、驚くべき(?)答えが返ってきました。
これが、今年の予算に関連した質疑の中では
 「ガン対策」「セーフコミュニティー
となり、9月末の私の一般質問に対する答えでは、
 「地域医療」「健康づくり」
となっています。


ここでこんな指摘をすると、たぶん次の答えとしては、
 「いろいろなものを含んだ総合的な健康づくり関連」(?)
などとでも説明するのでしょうか?


まあ、次にどう説明するかはさておき、こんなにくるくる内容が変わるのは、「そもそも何をするところなのか?」
についての明確な目的がなかったからではないでしょうか?
そして、その一歩前にある問題として、「新たな施設建設の必要性はない!」からではないでしょうか?


その証拠(?)に、肝心の事業目的がくるくる変わるのにもかかわらずに、健康センターついてしばしば言われて
いるのは、
  「アミューズメント性のある施設」
  「地域の賑わいの創出」
などの言葉です。
これらは健康とは関係ないはずが・・・


「ついでにつくるのだからいいじゃないか?」とお考えの方もいるかもしれませんが、このために使われる
22億円、他の区民ニーズのために使った方がよっぽど“生きたカネ”になると考えるのは、私だけでは
ないと思います。
例えば先日区議会でも議論のあった、
 「認可保育園に入れないために他の民間保育施設に入った場合、その利用料に関し、認可保育園の利用料との
  差額分について、区が何らかの支援をすべきでは?」
という問題ですが、区の説明に必ず出てくる言葉として、
 「財政上の問題が・・・」
というのがあります。
つまり、
 「区の財政にはそんなに余裕がない。従って、支援に回すお金がない(足りない)」
ということです。


でも、上記の22億円を念頭に入れて考えれば、
 「区におカネがないはずはない」
と言えるのでは?


もちろん、保育の支援に限ることなく、
  教育関連、高齢者福祉、商店街支援、地域活動支援・・・・
と、他に有効な“使い道”は数多く考えられます。
「何にどれだけ使うか?」は、多くの区民の声をもとに、大いに議論して決めればよいのではないでしょうか?


政策目的・住民のニーズ(⇒「私の生活にとって健康センターが絶対必要!」という区民が果たして何人いるのか?)
がはっきりしないハコモノ建設はやめるべきと考えます。