豊島区の新庁舎計画-問題点のまとめ(2)

続いて、この新庁舎建設についての収支の問題です。
これも、2年前と今回の計画を比べ、どうなったかをみてみたいと思います。


2年前、区(=区長)はどう説明していたか?
こんな内容でした。
 1)収入
    日出小跡地に新庁舎を移すことで現庁舎地が“空く”。
    この土地を期間50年で民間事業者に貸付け、その地代25年分を一括して最初に受け取る。
    その金額は約176億円になる。
    これを“収入源”として、庁舎の他、下記の公会堂・健康センター(新設)の建設費を賄う。
 2)支出
     ・新庁舎の新築(正確には、マンション等との合築なので、一体化したビルのフロアを購入する)
      等に120億円強。
     ・現庁舎の解体等に3億7千万円。
     ・公会堂に1億8千万円。
     ・健康センターに22億円。
    として、合計165億円ほどかかる。
 3)トータルの考え方
    収入が支出より10億円ほど多いので、庁舎等を造っても10億円ほど余る。
    だから、「タダで庁舎を造った上に貯金もできる」


これが今回どう変わったか?


まず、地価の下落による地代予定金額の減少で、収入が2割ほど減り、
   176億円 → 143億円
一方、支出はというと、新庁舎新築分が増えたことで、1割ほど増え、
   165億円 → 180億円
   

見ればわかる通り、収入が大幅に減って支出がずいぶん増えたので、「収入−支出」は“赤字”です。
この赤字を埋めるため、最初に一括で受け取る地代の期間を25年ではなく35年以上に延ばすとの
こと。


一般に、長期の一括支払になるほど、先が読めないために支出しにくくなると言えます。
こちらの都合で一括の受取額が簡単に増えるでしょうか?
私は大いに疑問を抱いています。


「見込みが大幅に狂った」のですから、“小手先の数字操作”でなく、計画そのものの大幅な見直しが
必要と思いますが、いかがでしょうか?