豊島区の新庁舎計画-問題点のまとめ(1)

豊島区・新庁舎計画の最新情報が、「新庁舎整備推進計画」として今日の広報としまに掲載されています。
    ↓
http://www.city.toshima.lg.jp/koho/kohoshi/020342.html


ただ、これは概要で、詳細は豊島区のHPにあります。
    ↓
http://www.city.toshima.lg.jp/kusei/publiccomment/publiccomment_bosyu/020329.html


実はこの推進計画、9月15日の区議会・副都心委員会で全議員に対して説明があり、区とのやりとりも
経て幾つか問題が明らかになっていたのですが、やっとHPに全文が載りましたので、これをご覧
いただきながら、問題点について、何回かに分けてコメントしていきたいと思います。


最初は、維持管理経費についてです。
即ち、庁舎という建物の、電気代・ガス代・水道代・修繕費・清掃等にかかる費用のことです。


この維持管理経費が新庁舎になるとどうなるか、今回の計画で初めて明らかになりました。


この経費については、これまで明確に説明されてきませんでしたが、区民からは、
 「維持管理経費がかかり過ぎる庁舎は困る!」
との声が多数出されており、区からもそうならないよう努力する旨の説明がなされていました。
確かに、
 「これまでの庁舎よりも維持管理経費が安くなることを約束する」
との“公約”はありませんでしたが、区民に示した計画(例えば、平成20年「新庁舎整備の検討の
まとめ」http://www.city.toshima.lg.jp/kusei/chosha/010321.html)などでは、
「2 現庁舎等の現状と課題」(P10〜12)の中に「(3)維持管理費の増大」が問題点と記されて
おり、上記説明とあいまって、
 「維持管理経費は、現在よりも安くなるだろう」
というのが、大方の区民の認識だったと思います(私はそうですし、私の周囲のほとんどの方も、
改めて確認してみると、そうです)。


それでは実際どうなったか?
新庁舎と現庁舎を比較してみます(下表は年額で、単位は千円)。


            新庁舎  現庁舎
A:光熱水費(1)〜4))136,671  113,508 ⇒1.2倍に増加 
   1)電気      49,225  36,884
   2)ガス         0   463
   3)水道      15,800  11,773
   4)冷暖房     71,646  64,388
B:修繕費       12,532   8,882 ⇒1.4倍に増加
C:委託費      51,765  79,126 ⇒0.7倍に減少
D:共用部分管理費  150,320 0
E:修繕積立金    20,000 0
  合計(A+B+C+D+E) 371,288  201,516 ⇒1.8倍に増加
   注)D・Eは新庁舎が区分所有の建物となるために必要な経費。現庁舎では当然必要なし。


今回の推進計画ではなぜか上記の項目中、「E:修繕積立金」だけが分離されたいましたが(P100)、
「庁舎を維持管理するコスト」に当然含まれるので、上表の通り私がまとめ直しました。


ご覧の通り、新庁舎になると、維持管理コストが1.8倍に上昇します。
「これは問題ではないか?」との私の指摘に対しては、修繕積立金を除いた合計額の比較においては、
1平米当りの金額が安くなるから、「経済的な庁舎」なのだそうです。
しかし、上表のように、修繕積立金も入れて、コストと面積を比較してみると、
           新庁舎  現庁舎
 年間維持管理コスト 371,288  201,516 ⇒ 新庁舎は現庁舎の1.8倍
 床面積面積の合計   29,100  18,073 ⇒ 新庁舎は現庁舎の1.6倍
で面積以上にコストが上がっています。
これで「経済的な庁舎になる」と言えるのでしょうか?


この点、改めて昨日の一般質問で、「問題だと思わないか?」と区長に尋ねたところ、「やむを得ない」
そうです。


という訳で、(維持管理コストの面でみると)新しい庁舎を計画通りつくると、
  「今よりもお金のかかる庁舎になる」
とうことが明らかになりました。


これから、10月を中心に、区内各所で説明会が開かれるとのことですが(上記「広報としま」のP8)、
この点も含め、「おかしい」とお感じになられる方は、是非率直なご意見・お考えを区に対してお示し
いただきたい思います。


もちろん、私は引き続き議会で主張していきます。