豊島区生涯学習推進計画について

現在豊島区がパブリックコメントを求めているものに、「豊島区生涯学習推進計画(素案)」と
いうものがあります。
     ↓
http://www.city.toshima.lg.jp/kusei/publiccomment/publiccomment_bosyu/019473.html
通常、特に“異論”等がなければ“素案”がなくなって、これがそのまま「区の計画」となります。


先週、議会の子ども文教委員会で説明があり、私もコメントしたのですが、やっと区のHPに
アップされましたので、改めて一言。


事業仕分け的な切り口からすれば、「そもそもこんなことをやってどういう意味があるのか?」
といったそもそも論的なところから始めるべきなのでしょうが、既存の事業に関わる区民も多数
いるので、とりあえずその点は脇に置いておきます。


1.「連携」「協働」を、どれほど真剣に考えているか?


 今回の計画、「何をするか?」について読むと、この手の事業によくあるように、「連携」「協働」
 といった言葉がやたらと出てきます(P16〜など)。
 特に目新しいことをやる訳ではないが、既存の一つ一つの事業を見直して新しくて有効なものに
 しようとする時、これらの言葉がよく使われるような気がしますが、豊島区もそんな狙いがあるの
 でしょう。
 ただ、問題は、本当に有効な「連携」「協働」をどうやって実現するかであり、そのための“工夫”
 がどれだけ真剣に議論されたかです。


 そういった視点でこの計画を見ると、ただ単に個々の事業を一緒に並べて「連携・協働します!」
 と言うだけで、肝心の連携・協働の仕方についてはほとんど触れられていません。


 まあ確かに、具体的なことに触れていなければ、結果としてうまくいったとき(多数の区民の評価
 が高かったとき、など)は、大いに先見の明を誇れるでしょうし、うまくいかなかったときは、
 うやむやにできる(?)など、「曖昧さのメリット」はあるかもしれません。
 しかし、それはあくまで行政担当者の“保身”的な事情と言えるもので、真剣に現状をよくしよう
 との意欲等はほとんど感じられません。


 「連携・協働は流行語なので使った」程度なのでしょうか?


2.評価を想定した計画か?


 「計画だけやたらにつくって、後は放りっぱなしだ!」という批判が、行政一般に対してよく言われ
 ます。
 今回の計画はどうか?


 確かに、最後に「計画の進行管理」(P37)とあり、「計画の進捗状況を検証し、各施策・事業の効果
 を評価していきます」とされていますが、そもそも評価の指標・基準・ポイントなどはどこにも
 見当たらない以上、「有効な評価・検証」などできるのでしょうか?
 もちろん、各事業の個別的な評価については、「参加者がどれだけ増えたか?」などの点から、できる
 はずですが、この計画自体が、上記1のように、既存の個別事業に視点を充てるのではなく、それらを
 合わせた“付加価値”的なものをめざしている以上、「個別事業を超えた評価指標」などが必要なので
 はないでしょうか?


 この点についての私の質問に対する回答は、「そういった点もこれから議論していく」のだそうです。
 最初に一定の評価指標等があるからこそ、政策がある目的に向って合目的的に遂行される、というのが
 本来の姿のはずです。
 しかし、これでは、「結果に合わせた評価指標を、後で都合よくつくる」ということになりはしない
 でしょうか。


以上、「豊島区生涯学習推進計画」への率直な指摘です。