「テンプルに当てた一発の気概」

「テンプルに当てた一発の気概」


一昨日の産経新聞・6面のコラム欄のタイトルです。
      ↓           
http://sankei.jp.msn.com/sports/martialarts/100322/mrt1003220808000-n1.htm


ボクシング好きにとっては刺激的な言葉なので、思わず目に入ってきました。


内容は、1971年に行われた世界バンタム級タイトルマッチ
 「ルーベン・オリバレス VS 金沢和良」戦
についての、当時中学3年だった筆者の“熱い思い”を語ったものです。


戦前の圧倒的な不利との予想を覆し、果敢に打ち合いに出た金沢が13ラウンド、
右フックをチャンピオン・オリバレスのテンプルに決め、その勢いで猛然とパンチを
繰り出す。しかし、翌14ラウンド、ついに力尽きてKO負けを喫する。
筆者によれば、ジョージ・フォアマン藤猛、大場政夫などの“名勝負”も、
 「この試合の感動には及ばない」
とのこと。
そして、この試合のことを伝えた当時の雑誌の切り抜きを時々取り出しては、
 「深夜ひとりで自分に気合を入れている」
と結んでいます。


私は当時10歳だったので、たぶんこの試合をテレビで見たはずですが、記憶にありません。
しかし、「ものすごい試合」との評判を聞いていたので、何年も前にビデオを購入し、
何度も見ています。


確かに「凄い試合」です。
オリバレスの執拗な攻撃にスタミナを奪われていった金沢が、13ラウンドに捨て身で放った
右フックが当たる。
続けてラッシュするも、最後には“ガス欠”状態になってふらふらと倒れこむ。
その状態で臨んだ14ラウンド、当然のごとく2度のダウンを喫し、解説者(海老原博幸
が「もう無理ですね」と話す中、ムクッと起き上がり、何か叫びながら相手に向っていって
3度目のダウンをして終わる。
何かの雑誌で読んだのですが、あの最後の叫びは、「てめえ、ぶっ殺してやる!」と言った
とのこと。
最初にこの試合を見たとき、思わず身震いしました。


年齢を重ねると、いろいろな意味でエネルギーがなくなってくるような気がしますが、
この記事を見て、もう一回ビデオを見て、エネルギーを“再注入”した次第です。