組織としてのグーグルの魅力(?)について

先日、「グーグルの働き方」という雑誌広告に惹かれて日経アソシエ・10/20号を
買い、電車の中で一気に読みました。


魅力的・異質だからこそわざわざ取り上げたのでしょうが、組織としてのあり方に
ついて、非常に考えさせられる内容でした。
いろいろな読み方・捉え方があるのでしょうが、特に注目した記事中のキーワード
は次の3つです。


1.「Right Way」(正しい方法)


 記事によると、グーグル社員の口癖の一つなのだそうです。
 「会社のインフラを使い、ユーザーに最大限の便益を提供するのにベストなやり方
 という意味で使う」とのこと。
 しかも、「経済的な利益が“正しい方法”より優先されることはない」由。


 前々から(特に、梅田望夫氏の「Web2.0」の講演を聴いてから)、「この会社は
 相当な使命感・正義感をもって、社会のインフラ構築を希求している」との印象を
 もっていましたが、社員一人一人の「Right Wayへの志向」が強いなら、個々人が
 一種の正義感をもって仕事(と言うより、会社を“活用した”協働作業とでも言う
 べきか?)に臨むので、個々の力が非常に発揮された最強の組織になるのではない
 でしょうか。


 「私的利益ではなく、公益を追求する」という点では、公務員・政治家も基本的に
 このような正義感を抱いていると言えますが、自治体や国という垣根がなく、全人類
 を想定したRight Wayを追求している分、この正義の意識は、より大きく強いものと
 言えるのでは?


 どうりで“強い”と思います。


2.「スケール」


 グーグルでは、
  「それってスケールする?」
 という言葉が使われない日はないとのこと。


 この場合の「スケール」は、拡張化可能性、「共通原則に昇華する可能性」という意味
 で使われているようです。
 グーグルが「世界共通のインフラ」をめざす以上、ある成功例が、「部分的な成功例」
 であっては、上記の「Right Way」でもないし、ビジネスとしての評価も低いと判断される
 のでしょう。
 

 「世界標準をめざすのが原則!」との意識が社員の一人一人に徹底されていたとすれば、
 これまでに例のない「エネルギーの詰まった会社」になるのかもしれません。


3.「カジュアル」


 グーグルジャパンの社長インタビューで、辻野社長が
  「これからの時代は、いかにカジュアルでいられるかが大きな意味を持つと思います」
 と語っていた言葉です。


 辻野氏が挙げたエピソードは、社長になってすぐの頃、エレベーターに乗り合わせた
 若いエンジニアに、「新しい仕事には慣れましたか?」と聞かれたそうです。
 普通、自分の組織上の上司に対して、こんな余計な心配も、口のきき方もしないはず。
 「全くの(?)同士」と見ているからこんな言葉が出てくるのでしょうか。


 単なる「風通しのよさ」ともニュアンスが異なると思います。
 そもそも、「風通しのよさ」は、
  (組織上の)上の人間が“譲歩”して、(組織上の)下の人間が(遠慮しながらも?)
  “自由”にモノが言える」雰囲気
 を示す言葉のはず。
 上記のエピソードはこのレベルとは“異質”と考えました。


 「うえした」(あえてひらがなで書きますが)関係なく、平気で意思疎通ができる組織が
 できる組織ができたら、文字通りの「最強集団」だと思いますが・・・


 現実のグーグルは、このような組織なのでしょうか?


以上、雑誌を読んでの個人的“雑感”です。