新政権への期待-「自治体への“建設的介入”」のススメ

補正予算の一部執行停止やダム建設の見直し等、新政権が描く“青写真”の地方自治
への影響が徐々に明らかになってきました。
まあ、十分に予想されたことで、もっと大きな影響が出てくるはずです。


ところで、新政権のこの「ムダな事業をやめる」との取組み、地方自治体の行政にも
徹底できないでしょうか。
新政権への期待が大きい今だからこそ、一気に、しかも、半ば強制的に進めていければ、
今後の地方自治体のあり方は、良い方向へ大きく変わるはずです。


各地での事業仕分けなどを見ていると、財政難と言いながら、「やらなくても困らない
のでは?」と思える事業が結構あると感じます。
このような「客観的なムダ」を、国主導で、半ば強制的に各自治体から“供出”(?)
させる。
こんな積極的な取組みを新政権に期待したいのです。


手法としては、事業仕分けのようなものがよいでしょうか。
事業仕分けだと、住民が見ている前で、自治体事業の
  解剖→判定→新提案(場合によっては)
を一気にできます。
国の事業仕分けと並行して全国の自治体の事業仕分けを進めれば、新政権が躍起に
なって(?)探している
  「マニフェストで掲げた事業を現実化する財源」
が、ボトムアップ的にも大きく出てくるものと考えます。


マスコミ報道によれば、行政刷新会議の事務局長には「事業仕分けの元締め」(?)
である構想日本・加藤氏が就くとのこと。
ちょうどよいタイミングです。


この場合、大きな抵抗が予想されるのは首長・地方議会です。
しかし、この抵抗、それこそ民意を盾にして突破すればよいと考えます。


地方自治体の首長や議会は、住民の選挙を通じて選ばれたのだから、民意を代表し
ている」との意見がありますが、この制度上の建前論、必ずしも正しくないと考えます。
8月の衆院選の選挙結果と2年前の統一地方選の選挙結果が、必ずしも「同じ民意」と
考えられないように、「現時点での民意」と「現時点での、住民の首長・議会に対する
信認度」は、食い違っていると考えるのはむしろ自然な考え方でしょう。


しかも、地方議会の場合、我が豊島区を見てもわかるように、民主党は「首長与党」と
いう“錦の御旗”(?)の下、自民党とほぼ似たような動きをする地方議会が数多く
あります。
こんな状態の地方議会は、「民意を十分に反映している」とは考えられないと思い
ますが・・・


地方自体の事業仕分けを半ば強制的に実施していく過程で「首長・議会からの抵抗」が
出てきた場合、当該事業に関し、国主導で住民の民意調査を実施してみるのです。
先日、Yahooリサーチを活用した「豊島区の民意調査」を私が個人的にやりましたが、
媒体に何を使うかは別としても、このような調査は迅速に実施可能です。
 *豊島区の民意調査の結果でも、住民の民意と首長・議会の民意の不一致が「客観的に
  証明」されました。この結果はいずれお知らせします。
事業仕分けを多くの住民が見た後で民意調査を実施し、仕分け結果と同様に「こんな事業は
要らない」が多数派になれば、
   国の事業仕分け VS 首長・議会
           ↓
    住民意思   VS 首長・議会
と、構図が変化します。


このようなやり方で、国主導で、どんどん「自治体の壁」を突破してもらいたいものです。


以上のような考え方、「地方分権に反するのでは?」との反論が予想されますが、そんなこと
はありません。
分権・自治権は、それができる能力を備えてから、その体制に移行する方が合理的ではない
でしょうか。
(だから、事業仕分けを積極的に実施するなど、既に“卒業”した自治体は、上記のような
新政権の取組みの対象外になると考えてもよいでしょう)。


「意義ある地方分権」をめざすための、「一時的な中央集権的手法の採用」とでも言うべき
ものです。