「衆院選マニフェストを斬る」から

8月12日、竹中平蔵氏らのグループ「チーム・ポリシーウォッチ」が開催した
衆院選マニフェストを斬る」という討論会に行ってきました。


竹中氏をはじめとした「小泉構造改革路線の関係者」が、各党のマニフェスト
をどう見、今の日本に何が必要だと主張するのか、非常に関心があったから
です。


最も印象に残ったのは、自民・民主双方のマニフェストに、(経済)成長戦略
についての有効な提言が見られないとの指摘でした。


特に民主党に対してよく指摘されるように、
  (広範な)バラマキ
    ↓
  国民の懐を潤す(安心を植えつける?)
    ↓
  内需の拡大
    ↓
  経済成長
との「成長路線」が本当にうまくいくか?


今回の議論の中では、上記のようなデマンドサイドの政策のみでは限界があること、
サプライサイドの政策としての、減税・規制緩和・研究開発が両党ともにないこと、
その結果として、国際競争下において、「日本に拠点をおいて本格的な企業活動を
行い、企業を成長させていきたい」との魅力を、企業に与えにくいこと、などが
指摘されました。


この点は、両党ともに「マニフェストの不備」として、投票日までの間に追加・修正
していただきたいと考えました。


それにしても、今回のこの討論会、平日の夜にも関わらず、定員(500人?)を超えた
参加希望者を受け入れた様子。
私は1分遅れで到着したので、モニターのみを眺める別会場(150人ほど?)に回された
のですが、その会場はどう見ても30代以下が70%ほど。
私のような40代も入れると、80%超だったのでは?
*本会場は、年齢構成が若干高い方に分布していたと推測されます。


このような「比較的若い世代」(20〜30代に限定しても)が2時間超の時間を真剣に聞き
入っていたのですから、日本の政治意識はやはり確実に変わりつつあるのでしょう。
*このような「マニフェストの検討」などは、大学の授業に取り入れても、結構まじめに
 受け入れられるのではないでしょうか。今回はちょうど夏休みで時期が悪かったですが。


これに比べると、最も遅れているのは、政策・マニフェストの内容をろくに検討しよう
ともせずに「話題の候補」に走ったり、「とにかく○○党」としか言えないような
一部の政党・選挙関係者ではないか、という点も痛感させられました。
*単に「政権交代」とだけしか言わないのも、この手のお題目の一種かもしれません。