ツールとして認知されることの強さ-価格.comの話から

「『価格.com』のビジネスモデルと成長の秘密」というセミナーを受講して
きました。


同社の取締役・内田氏から、同社に関する
 ・これまでの軌跡
 ・ビジネスの考え方
 ・今後の取組み
等を伺ったのですが、一番印象に残ったのは、
 「『価格.com』はツールだ!」
という基本的な自己認識を語っておられた点です。


言われてみると、私の中での「価格.com」はツールとしてしっかり位置づけ
られています。
私は、時々使う程度の“ライトユーザー”だと思いますが、ある商品を買おうと
するとき、
  目的:欲しい商品について、短時間で一番安い購買先を見つける。
   ↓
  手段:最短ルートして、「価格.com」を使う。
という行動パターンがいつの間にか身についています。
明確に「○○社の○○」と決まっているときは、迷わず「最安ショップ」へ。
また、幾つかの購入候補から選択しなければならない時は、製品情報や口コミ
を比べた上で結論を出します。


同社では、この「ツールとしての強み」をとことん磨き上げるため、
「仕組みを放置しない!」との運営方針のもと、
 ・「どこよりも安い」を確実に情報提供するため、常時価格チェックを行う。
 ・製品についての情報を徹底的に充実させる。
 ・口コミを24時間チェックし、信頼性を高める。
とのことです。


いたずらに
 「あらゆる方向にビジネスの可能性を追う」
のではなく、
 「自社のビジネスモデルの強みを明確に認識して、そこに集中する」
という考え方は非常に参考になりました。


さて、内田氏の一通りの話の後、質疑応答の時間があったので、次のような
質問をしてみました。
 「自分は、最も安い商品を買おうとする場合、新品の必要がある場合は
  貴社のみを利用するが、中古でもよい場合は、貴社のサイトとヤフー
  オークションのサイトを見比べながら、最終決定をする。おそらく
  こんな行動パターンをとる人間は多いはず。
  この点から考えて、ヤフーオークションは、貴社にとっては敵なのか、
  味方なのか、あるいは、どちらでもないのか?」


これに対する答えは、「どちらかと言えば、味方」でした。
いずれは中古にまで射程範囲を拡げていくとの考えもあるそうです(既に一部
の分野では現に取り扱っているので、そうなのでしょう)。


また、同社の一部の製品では、製品のサイトを開くとヤフーオークション
製品情報が流れる仕組みになっているので、ついでに、
「この仕組みはビジネスになっているのか?」
と尋ねたところ、
「詳しくは話せないが・・・」
とのことでしたが、どうもビジネスになっているようです。
さすがだ、と感心しました。


いずれは、あらゆる製品について、「新品・中古も含めた総合購買サイト」
をつくり上げてくれるものと期待します。