「森の駅」の可能性

先日、地域交流センター(http://www.jrec.or.jp/)の岡本氏からご案内を
いただき、
  「森の駅」推進検討会
に参加してきました。


同センターは、「道の駅」「まちの駅」「海の駅」などの様々な“仕掛け”を
これまでに行ってきており、人が集まる拠点としての「駅」を、森に広げて
いこうというものです(私の理解)。


具体的な実践例をお話いただいたのは、山口県美祢市で「森の駅」を運営して
いる園田秀則さんという方でした。
この“駅”には
 ・年間3,000人を超える入場者がある。
 ・観光のスポットとしての注目も集まりつつある。
 ・子どもの体験学習の場として活用されている。
とのこと。
ただ、単なる観光地ではなく、森がもつ様々な資源(木、土、動植物、森の中
の空気など)を“実感”させるところが大きな特色であり、他にない意義だと
感じました。


「森の駅」と称する拠点は他にもあるようですが、これらの駅のネットワーク化
が今回の会合の大きな目的とのことなので、今後もこの動きに注意していこう
と思います。


今回の会合でもう一つ面白かったのは、参加した20人ほどのメンバーで様々な
「森談義」が交わされたこと。
文化論あり、森林の経営論あり、文明論ありと、私も参戦(?)した上で、
久しぶりに“談論風発”の雰囲気を十分に味わいました。


今まで森にほとんど縁のなかった私にとって新鮮な発見だったのですが、
「森は奥が深い」です。
談論風発”の中でも何人かから出されましたが、「産業の時間軸」という
面から見ると、二次・三次産業に比べ、当然ながら林業のサイクルは長い。
農業と比べても、一年サイクルで継続的に結果が出るわけではないから、
同じ自然を相手と言ってもこれまた長いと言える。
また、生態系として考えた場合、当然のことながら木だけが“相手”ではない。
他の植物やその中に棲息する動物まで考えていかないと「森全体」を考えた
ことにはならない。


「森の駅」は、このような奥深さをもった森と人間の関係を改めて考える上で、
単なる地域振興以上の意味をもつもつような気がします。


それにしても、今、東京では「都会にも緑を!」として、「○○の森」などが
あちこちで計画されていますが、この「森の駅」などと比べると、当然ながら
所詮は“バーチャル体験”に過ぎません。
そんなものに自治体が投資するよりは、本物が体験できる地方の「森の駅」
の有効活用に向け、地理的な壁を越えて投資していく方がはるかに意義が
大きいと考えました。