「事業仕分け」のもう一つの活用法

5月31日、浜松市事業仕分けの参観に行ってきました。


事業仕分けについては、数年前から何度も参観してきましたが、今回の感想
はと言うと、コーディネーター・仕分け人側が一段と“進化”した気が
します。


以前のコーディネーターなら、本当に司会程度の機能しか果たしていなかった
記憶がありますが、今日のコーディネーター役の方は、議論の流れにかなり
口を突っ込んでおり、望ましい方向へコントロールさせようという意図が明確
に感じられました。
また仕分け人側についても、説明者(=職員)の弱点を鋭く指摘しており
(ただ、これについては、傍聴者の評価が分かれるでしょう。「お前ら何様?」
と感じる人も結構いると思います。私はよいと思いますが)、「何事かを残す」
という点で、機能が格段と強化されたと評価します。


ところで、これまで、「議会で事業仕分けをやっては?」という意見に対し、
私は否定的でした。
どうせ議員の議論のレベルは高くないので、時間のムダのように感じられた
からです。
しかし、事業仕分けを見ている最中、ちょっと考えを変えました。
どうせ議論のレベルが高くないにしても、「今よりましになるきっかけ」
として、例えばこの浜松の事業仕分けと比較するなどしてはどうかと。


議会の、例えば予算委員会などを傍聴された方はお分かりになると思いますが、
議会の議論ではコーディネーターはいません。
従って、各々がバラバラの議論をする。
そして、発言する目的も(議論しようという意図は元からないので、“発言”
になります)、改善しようというよりは、「自分を目立たせよう」という方が
強いと思います。
これらの点を、事業仕分けの議論に近づけようとするだけでも、議会の議論の
レベルは格段に上がるのではないでしょうか?


という訳で、「議会の議論」のあり方の問題点を浮かび上がらせる目的で、
事業仕分けと比較する、以下のようなイベント(パネルディスカッション等)
を思いつきました。


 1)イベントのタイトル
    事業仕分けから見えてくるもう一つのもの
     地方議会の議論のレベルはなぜ低いのか?


 2)内容
    例えば、浜松市で行われた事業仕分けの議論と、実際の議会の議論
    のレベルを比較するディスカッションを行う。
    理想的には、浜松市議会の決算か予算委員会が終わった後、それ
    と比較する形でやる。


 3)パネラー
    ・事業仕分けの評価者 2名ほど
       自治体職員など、事業仕分けのベテラン
    ・地方議員 2名ほど
    ・浜松市事業仕分けと議会を両方傍聴した市民等 2名ほど


この議論を機に、
 「議会の議論はこうあるべき!」
 とか
 「レベルの低い議論しかできない議員はどういうタイプか?」
などの議員評価の指標をつくり上げることができるかもしれません。


実現すれば、議会改革を直接進める大きなきっかけになると思いますが・・・