外資ファンドによる地域再生

先日、某大学の大学院授業への「追加参加」で、公共インフラへの長期投資
で有名な外資系ファンド・某社の話を聞いてきました。


同社は、世界各地で道路・港湾・空港・上下水道等へ長期投資を行い、これら
の公共インフラを“再生”していくのだそうです。
私が同社を知ったのは、日本の民間有料道路を再生させた件です。


仕組みはというと、諸施設の「運営権」を長期的に譲り受け、例えば道路なら
「道路のプロ」や「観光のプロ」などが合理的な通行の仕組みや客を呼ぶ
ネタの仕組みを考え、ファンドによる巨額の資金と合わせ、利益の出る形に
仕上げるのが基本的なやり方のようです。


これまで閑散としていた空港が多くの客で賑わう空港に変わった事例などは、
見事な地域活性化と言えると思いました。


私が話を聞きに行った一つの目的は、「東京23区の公共インフラを合理的に
見直す知恵と金の出所を見つけること」でしたが、地域の活性化を考えた場合、
こういうやり方もあるのだとちょっとした発見をした気がします。


私もそうですが、地域活性化というと、何か「地方の弱小高校の甲子園出場物語」
みたいな美談を期待する向きがあるのでは?
特別な資金や知恵のない者が集まって、やる気と友情で成功を勝ち取るという、
ドラマみたいなあのパターンです。


でも、このようなパターンで成功を勝ち取れるケースはほんの一握りのはずです。
もし可能性があるのなら、上記のようなファンドを使い、世界中の金と知恵を集中
投入して一気に活性化させてしまう、こんなやり方もあるというのは、新鮮な発見
でした。
現在、日本の自治体には、仕組み上すんなりとは入っていかないよう
ですが、今後のことを考えて大いに注目しておく必要があると考えました。


さて、もう一つ、前回の話題である「地方議員は“プロ”か“ボランティア”か」
も合わせて考えてみることにします。


私は「議員はプロであるべき」というのが持論です。
ただ問題なのはその「プロのあり方」です。
私の考える「プロ議員」とは、やはり有効で具体的な政策提案ができる議員が第一
です。
住民や職員より知恵のない議員は、「プロ議員」ではないと考えます。


今日の話題で言うと、外資ファンドの職員並みに知恵を出すことなどは無理としても、
“水先案内人”ぐらいにはなれる議員が“プロ”と言えるのではないでしょうか。