議員は“プロ”か?“ボランティア”か?

hino-katsuaki2008-05-19

5月17日(土)、「開かれた議会をめざす会」主催で同タイトルのシンポジウム
を開催しました。
*写真左から、専大教授・小林氏、矢祭町議・菊池氏、立川市議・大沢氏、千葉県議・吉川氏、前我孫子市長・福嶋氏


まず主催者側からの感想です。
「事前申込が必要」としていて申込者が約90名だったので、プラス20ぐらいか
との予想は外れ、130名弱の大盛況でした。
やはり
 ・シンポジウムのタイトルキャッチがよかった(自画自賛?)
 ・今話題の矢祭町から、日当制の“首謀者”(もちろん良い意味で)を呼んだ
のが集客のカギだったと思います。
また、今回は、日当制導入を求めて署名を集め、議会に直接請求した鳥取県江府町
の住民の方からの「飛び入り報告」もあり、「我々の代表のつもりで推した議員は
何にも役にたたなかった」などという“切実な”訴えには会場が大いに沸きました。


さて、“プロ”か“ボランティア”かという本題についてです。
結論から言うと、どちらもありであり、どちらを選択するかは、その自治体の
住民が決めればよいということではないでしょうか。
制度や社会情勢を詳しく分析した上で、行政側を上回るような政策提案や
判断をめざす議員は“プロ”型でしょうし、行政から出される提案にイエス
ノーを示すことが主(もちろん住民意思を踏まえた判断)なら“ボランティア”
型となるでしょう。
私個人としては、“プロ”をめざしているつもりですが、「自分の自治体は
ロクでもない議員しかいない。だからボランティア型にして数を増やせ」という
のも住民の選択肢だと思います。


この問題を考えるにあたってもう一つ重要なのは、「議員の活動とは何か?」
「どこまでが議員活動なのか?」という点で、住民間でのコンセンサスが
ある程度成立していることだと思います。


どうも多くの方の間では、「地方議員とは、街なかの問題に対処する便利屋」
みたいな議員像があるというのが実情ではないでしょうか。
まあ、実際にそういう議員ばかりが目立っていたという事実もあると思います。


でも、それだけが議員の仕事なのでしょうか。
私などは国の制度に対する構造改革特区提案もやりましたし(内容の適否は別
として)、様々な活動に関連する中で、他県の市の福祉施策に関わりをもった
こともあります。
これらなど、上記の「古典的地方議員像」などからすれば、きっと
「余計なこと」なのでしょう(実際そう評する人もあるようです)。


しかし、地方議員の“守備範囲”は決して自分の目に見える範囲・票を入れて
くれた人たちへの貢献だけではないはずです。
よく言われるように、現状の多くの地方議員のレベルは決して“プロ”と
呼べるほど高くはないかもしれませんが、だからといって制度までそれに
合わせてしまっては、望ましいプロ型議員は出てこなくなるでしょうし、
議会も変わりません。


今回の件を通して考えた取りあえずの感想です。