「北朝鮮核問題についてのセミナー」から

1月17日、経済産業研究所主催の北朝鮮核問題についてのセミナーを聴いて
きました。
講師の防衛研究所武貞秀士氏には以前から注目していました。
http://d.hatena.ne.jp/hino-katsuaki/20061007


冒頭、「一見の価値あり!」といった感じで金正日の影武者の写真が紹介
され(実は、http://www.f7.dion.ne.jp/~moorend/news/2005032901.html
にあるとのこと)、その後、氏の以前からの自説の解説がありました。


その骨子は、上記のブログに私が書いた通り、
北朝鮮の核開発は、脅しや経済的援助を得るための単なる手段ではなく、
 重要な国家戦略である。したがって、ちょっとやそっとで核放棄はない。
○その戦略目標の中心は、朝鮮半島を統一することである(しかも戦争
 なしに)。
○その際に“邪魔”になるアメリカを抑える手段として、アメリカ本土を
 攻撃できる核ミサイルが必要と考えている。
 それまで核開発をやめることはないし、これが実現すればアメリカは
 北朝鮮に手を出さなくなる可能性が大(自国が核攻撃を受けるリスク
 冒してまで朝鮮半島に介入するか?)


さらに、「中国が北を見捨てたと言われるが、それはない。北の地下資源の
観点から、北は中国に必要な要素となっており、決して“お荷物”など
ではない」との追加説明もありました。


以上の点については、確かに見方が分かれるところですが、非常に説得力の
ある説であることは間違いないと思います。


そして、このセミナーで新たに追加された具体的“予測”として、
・今年中に、ノ・ムヒョン韓国大統領と金正日の会談がある。
・その場で核放棄等の約束が交わされる(もちろん単なる“約束”で、
 外交的成果を演出するため)。
・これによって、現在の韓国与党の支持率を回復して、次期政権は
 「親北」とする(そして、「南北連邦制」宣言までいく?)。
・そのムードを活用して、平和裏に南北統一を進めていく。
とありました。


氏の予測通りに上の骨子が現実化するかどうかは、この「南北会談の実現」
の有無がキーポイントになるでしょう。