東京23区の再編(=新たな自治体の創造)について

今年から、東京都と特別区(23区)は、特別区の再編を含めた協議に着手する
とのことです。
どんな“合併”がよいのか、様々な議論が今後もなされることが予想されます。


現在語られている案は、既存の区を前提に、「A区とB区とC区を一つにする」式
の案がほとんどのようですが、どうせなら、いっそのこと現在の区割りを
バラバラにし、「新しい自治体構成」を考えた方がよいと思います。


「新しい自治体構成」ですから、重視されるのは歴史的伝統などではなく、今
生活している住民のニーズ・利便性等でしょう。
具体的に言うと、駅や諸施設の利用範囲・利用のあり方などをキーに、
 「どこからどこまでの住民を一つに括るのが最も理想的なのか?」
をとことん追求すべきです。


例を挙げます。


豊島区は放置自転車で有名ですが、区内の各駅を見ると、その駅への自転車
利用者は必ずしも豊島区が最も多いとは言えない。
とすれば、「駅の利用」を起点に考えると、現状の区をまたぐ形の、新たな
“生活圏”が描けるのではないか?


また、私の子ども(幼稚園児)を連れて近隣に遊びに行こうとする時
(しかもお金をかけないで)、豊島区にない施設として、板橋区の交通公園
や子ども動物園を利用することがありますが、こういった子育てニーズ
(たかが“遊び”で恐縮ですが)を起点にした“生活圏”も描けるのでは
ないか?


このように、様々な要素から描ける“生活圏”を分析・総合した上で新たな
「23区の再編」を考えれば、単に現状を足し合わせるよりもはるかに
合理的な再編ができるのではないか、などと考えています。


ただ、この場合、生活圏調査を行う前提として、ある一定期間、各区の施設
利用を“開放”する必要があるでしょう。
現状ではおそらく、各区の「区民利用」のみであったり、それが優先に
なったりしているでしょうから、その制限を取り払った上で、5年ぐらいは
「自然な利用状況」を見る必要があるものと考えます。
その上で、様々な観点からの「生活圏」設定に関する意識調査や
シミュレーションを繰り返すことになるでしょう。


このように考えるようになったのは、実は3年ほど前からです。
寄付市場創造協会(http://www.geocities.jp/d_voting/jp/)の渡辺氏から
アプローチがあり、「他の自治体住民も含めた、住民の寄付を活用した
まちづくり」(同協会では、「寄付による投票条例」と呼んでいますが)
を23区で活用するとすれば、「合理的な23区の再編」が大きなターゲット
になるのではないか、と考えました。


「寄付」という行為によって、他の区の「お目当ての施設」に対し、「金
だけでなく口も出せる」となったら、寄付が促進されると同時に、「自分に
本当に必要なまちの大きさ・あり方」が意識されてくるのではないか。


この“アイデア”、たぶん、「23区再編」に関する新提案になるでしょう。