「政務調査費」をどう考える?
今“話題”の「政務調査費」についてです。
政務調査費は、
「議員の調査研究に資するため必要な経費」(地方自治法100条)
とされ自治体ごとに、その議会の議員に支給されています(支給がない場合も
ある)。
今日もテレ朝で「年間テーマとして追った」とのことで品川区・目黒区の件
などが放送されていました。
以下、何点かコメントです。
1.飲食等に使うことはいけないか?
昨今の様々な「不正使用」が取り上げられると、これらは全ていけない
ように報道されていますが、本来の使用目的を考えると、必ずしも全てが
ダメとは言えないでしょう。
本当に「調査研究」に使ったのであれば、それは認められてもおかしく
ないと考えます。
ポイントは、使った人間が「説明責任を十分に果たせるか否か」でしょう。
報道された両区のように、問い詰められると最初は開き直っていても、
結局「ごめんなさい」としか言えないようでは、やはり調査研究の意図も
実態もなかったのでしょう。
情報公開をするとこういう事態になることは予想できなかったのでしょう
か。「バカなことをしたもんだ」というのが正直な感想です。
冒頭では建前として「許される」と述べましたが、「飲食を伴う純然たる
調査研究」がありえるのか、私は非常に難しいと考えます。
だから、自身の政務調査費にはそのような使い方はありません。
*私の政務調査費の明細は、下記をご覧ください。
http://www.hino-katsuaki.com/expenses/index.html
今、豊島区議会では、来年からの明細・領収証の公開に向けて使途基準
が議論されていますが、最大会派の自民党は、「飲食を伴う会議等への
支出を認めるべき」と主張しています。
でも、自民党さん(豊島区議会の)には余計なお世話ですが、これは
大きなリスクになるのではないでしょうか。
例えば、ある議員が政務調査費を使って何かの懇親的な会合に参加する、
そして、その会が懇親的な内容で終わったとすると、後で「あれは懇親のみ
で調査研究に該当しないのではないか?」と指摘された時、明確な申し開き
(=説明責任)ができるのでしょうか。
「やめた方がいいですよ」というのが私の意見です。
2.視察はどこまで認められるか?
この点についても、一概に「遠隔地や海外の視察はダメだ」とは言えない
と考えます。
そして、ここでもポイントは、
「調査研究に該当することを、使った本人が説明ができるか否か」
にあります。
私はこの「説明」には、客観的に適正かどうかという点の他に、「使った
本人が調査研究に役立てる能力を有しているか否か」も加えた方がよいと
思います。
同じものを同じ時に見ても、「自身の役に立てることができる人間」と
「ただ見ただけで終わる人間」がいる訳で、後者のような議員に視察を
認めるのは、「猫に小判」でしかありません。
誰がどう判断するかという問題はありますが、一般論として、レベルの
低い議員には政務調査費は減額してもよいはずです。
噂では(領収証等が公開されていないので、確かめることはできませんが)、
○○区の○○会派の議員たちは、政務調査費を使って毎年のように海外視察
を行うそうです。
でも彼らのレベルを見ると、「シンガポールにITの視察に行ってあなた
たちに何がわかるのか?」という気がしますし、私以外の人間に話を聞いても
皆同様の感想を話してくれます。
3.政務調査費の効果的な活用法について
単に「支出内容が適正か否か」だけでなく、政務調査費の使い方を見ると、
その議員の活動内容・考え方・行動実態がわかります。
その点で、政務調査費は、有権者が議員を評価する際の判断指標に使える
はずです。
例えば、私のように政党に属していない議員は、当然全ての活動を「個人
の判断」で決めることができます。
しかし、政党所属の議員はそれができない(政党によっても、この辺の
“自由度”は異なるようです)。
もちろん、これにはいい面も悪い面もあるでしょう。
いずれにしても、「議員を比較する」一つの有力な判断材料にはなる訳で、
選挙の際にはこの点も活用した上で「誰に投票するか?」を決めればよいの
ではないでしょうか。