議員定数についての豊島区議会の審議状況①

「区議会議員定数を減らすかどうか?」という問題に関しての陳情への審議が、
12月4日の議会運営委員会で行われました。


この「減らせ!」という陳情、豊島区の町内会の連合的組織である「町会連合会」
が出したものです。
「町内会」と言うと、一般的なイメージとして「保守派の牙城」みたいに受け
取られがちですが、豊島区の場合、時にこういった“過激な”(?)役割も
果たしてくれます。


今回、私はこの陳情審議にあわせる形で先日の「豊島区民の“民意”調査」を行い、
12月3日の区内全部への新聞折込の形で、これに関する「意見広告」を配布しました。
“反響”は上々(?)です。


さて、議会審議です。
私は2人会派でこの委員会には加われないため、一般の方と一緒に傍聴していました。
傍聴者は、上記町会連合会を中心に、20名強といったところでしょうか。


この日の各会派の結論はと言うと、共産党は「削減に反対」、他は、「重く受け止め
なければならない」(ただし、結論ははっきり言わない)という感じで、12月7日
13時30分からの再審議に持ち越しとなりました。


各委員の主要な発言の概要は以下の通りです。
 *以下、「A氏」「B氏」は氏名のイニシャルではなく、登場順。また、発言内容は、
  日野がポイントと判断した内容をまとめたもので、議事録というよりは、
  「クローズアップ集」みたいなものです(コメントは日野による)。


A氏:○会派の中で検討したが、意見がまだまとまっていない。


B氏:○「民意調査」(日野の試み)はインターネットを使っていない人の意見は反映
    されていない。
   ○(自分は)眠っている時間以外は、ほとんど議員活動に費やしている。
     
     コメント:「だから議員はがんばっている」と言いたいようですが、
          「本当かな?」と思うのが普通の感覚です。
           現に、傍聴者からは、笑い声が聞こえました。


C氏:○議員は区民と行政とのパイプ役だが、数が多ければよいと言うものでもない。
   ○議会自らが身を削ってこそ、区民の理解を得られる。議員数削減の傾向は
    認めなければならない。

     コメント:やはり「傍聴者の圧力」は大きいと言えます。もし傍聴者が
          日野だけだったらこの種の発言はなかったのでは?


D氏:○陳情の真意は、「区民の声を本当に反映してほしい」というもの。議員数の
    削減をすればそれが実現できるかと言えば、そうではない。
    例えば、議員数を半分にしてしまったら、現在4つある常任委員会の人数が
    半分になるので議論が成り立たない。
   ○「区民の声の反映」と議員定数削減の問題は分けて考えるべき。

     コメント:確かにこういう考え方もあります。しかし、「常任委員会」に
          ついての発言内容は、「認識不足」です。
          先日の地方自治法の改正で、常任委員会の兼任が認められる
          ことになりました。
          従って、「その気になれば」、議員定数を10人として、10人が
          4つの委員会を掛け持ちすることも可能です。

   ○議員は多数の区民の信託を受けているのだから、その議員の数を減らすこと
    は、区民自身の身を削ることと考えてよい。

     コメント:選挙で選ばれた議員を任期中に無理やりやめさせたりすれば
          こういう論理も成り立つでしょうが、今やっている削減の
          議論はその話ではなく、新しい選挙の時の話です。
          従って、この論理は成り立たないのでは?
    
  
E氏:○区民からの相談が多く、睡眠時間を削って対応している。こういった活動は
    区民の目からは見えにくい。議員の中には「どうかな?」と思う議員もいる
    が、一生懸命やっている議員が多い。

     コメント:人前で、「自分で自分のことを評価する」発言をするのは相当
          “勇気”がいります。その意味で、私は「勇気ある発言」(?)
          だと考えます。ただ、この発言にも、B氏の時と同様、傍聴者
          からの笑い声が起こりました。

   ○町会連合会の意見は重く受け止めるべき。


F氏:○全国的な傾向や他区との比較だけで議員定数を考えるべきではない。
   ○議員定数は議会改革を考える中で検討していくべき。
 

以上、議会運営委員会の「発言クローズアップ」でした。
次回はどんな“貴重な”(?)発言が飛び出すのでしょうか。
ご関心のある方は、12月7日13時30分からの、同委員会第2ラウンドにおいでください。
(どなたでも傍聴ができます)