区議会での質問−「コンパクトな庁舎を考える」

9/22から始まった豊島区議会定例会の一般質問で、区庁舎問題についての提言・
質問を行います。


タイトルは、「『コンパクトな庁舎』を考える」です。
内容は下記の通りですが、要旨としては、「新庁舎は可能な限りコンパクトな
庁舎にすることを目標とする。コンパクト化の過程で、徹底的な合理化・行革
を行い(⇒最終的にスリム化した部門のみを新庁舎に入れる)、新たにでき
上がった庁舎では、合理化・行革が進んだ行政が行われるようにする」という
ものです。


「コンパクト庁舎」の考え方は、8月のこのブログでも述べましたが、いよいよ
行政にぶつけた上で、それを基に本格的な検討に乗り出すつもりです。


なお、議会での私の質問ですが、9/27(水)の13時から始まる中での2番目
なので、14時過ぎぐらいから始まるものと思われます(質問は10分)。


*他の委員会・本会議等も含めた今定例会のスケジュールは以下をご覧ください。
 http://www.hino-katsuaki.com/cgi-bin/info/u_diary.cgi


               記


1.質問の要点 
「コンパクトな庁舎」を実現させるのに必要な視点を幾つか指摘する。
これらを検討・活用することにより、スペースを極力圧縮した効率的でコスト
の小さい庁舎の実現を図るべきである。
さらに、この議論を進めることで、単にコンパクトな庁舎の実現だけでなく、
効率的な行政運営・行革を含めた新たな行政モデルの構築をめざすべきである。


2.考え方の前提:「庁舎=区の象徴(シンボル)」とのとらえ方について
 整備方針(素案)にあるような、「庁舎は区の象徴」(P14)というとらえ方
はすべきではない。
 他の自治体で話題になった豪華庁舎問題を考えてみても、「象徴」などというよ
うな特別な意味をもたせようとするから、不必要で余分な要素が加えられたので
はないか。
 庁舎は、地方自治法4条に「事務所」と記載されているように、「公共的な、
単なるオフィスである」との前提をもって考えるべきである。
 この考え方は、同法2条⑭「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、
〜最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」との事務処理の
原則にも合致するものと考える。


3.「コンパクト庁舎」を考えるための視点

  
1)現庁舎の使い方の見直し
 公共施設のあり方を考える際に「稼働率」の概念が用いられるが、現庁舎に
ついても、全ての部分について、徹底した調査等を行うべきである。
 また、部署ごとに公開でヒアリング等を行い、「合理的なスペース拡大根拠」  
を明確に提示できた部署のみにスペース拡大を認めることにすれば、「ムダな膨張」
は防げるものと考える。
  例)議会の本会議場
    本会議が開催される時のみしか使われないので、他の用途との兼用が可能。
    いろいろな方からも「どんな構造がよいのか」との質問をいただくが、
    特に難しく考えずに、普通の会議室に折りたたみのイスと机を置く形式を
    考えればよい。合併特例によって100人を超す規模となった自治体議会に
    おいては、学校の体育館を議場としていた例が報道されていた。
    普通の会議設備で十分と考えるべきである。
    さらに言うなら、議場以外の他のスペースも含めて、恒常的なスペースを
    庁舎の中に置かずに、「必要なときに必要な所を借りる」という“外部化”
    を考えてもよい。


2)現行業務の民営化
 「民営化→人員減→庁舎スペース減」を考えていくため。
 業務自体の民営化がなされなければ、合理化にも限界がある。
どの部門のどの部分にどのような民営化が、どこまで可能なのか、長期的な視野も
含めて徹底検証すべきである。例えば、10年・20年後に民営化が可能な部門に
ついては、新しい庁舎計画の中に、必要部門として盛り込む必要はないはず。
 ある研究機関の試算によると、市場化テストだけで見ても、これを最大限活用
すれば最大で20%程度の人員削減が可能とされている。こういった考え方を新庁舎
のあり方を考える際に生かしていくべきである。
 将来に禍根を残さないためにも、やみくもに設計作業を進めることなどせずに、
以上のようなソフト面での見直し・検討作業をまず徹底的に進めるべきと考える。


3)情報化の活用
 考え方の前提
  今後は、「区役所に来る区民の利便性の向上」を考えるより、「区役所に
  来なくても行政サービスが提供できる仕組みの構築」をめざすべき。


  ①IT化の徹底活用
    例)韓国・ソウル特別市江南(カンナム)区
       2002年に「電子区役所システム」が稼動したことで、区役所の訪
       問者が以前より70%も減少。


  ②コールセンター
    例)札幌市
       コールセンター内で回答できた比率が99%超。


  ①②とも、区役所業務の合理化だけでなく、住民サービスの大幅な向上にも
 結びつく取り組みである。
 これらが有効に活用されにくい場合でも、例えば窓口対応の予約制等により、
 効率化が大幅に進むことによって、区役所側の業務量・人員・スペースの削減
 だけでなく、来庁する区民の利便性も向上すると考えられる。