「豊島区庁舎問題」についての私案−「コンパクト庁舎」構想−

このブログでも何度かお伝えしてきた「豊島区の庁舎問題」です。


区の提示した案(http://www.city.toshima.tokyo.jp/publiccomment/anken/18-02-1.pdf
では、
 ・新庁舎は必ず建てるもの
 ・建てる場合の“適地”は「旧日出小跡地」がよい
 ・建てた場合の規模は、現庁舎の1.5倍
とされています(大まかに言うとこんな内容です)。


この案に対し、私は私なりに、全く新しい視点から「独自案」を検討して
きました。
場所・機能・民間との関係も含め、様々な可能性を追求しながら、関係する
企業・行政関係者とも折衝を重ねてきましたが、結局次のようなを構想を
対案として出していこうと考えています。
題して「コンパクト庁舎構想」です。
*なお、これ以外に可能性を探った構想の中には、いわゆる「ウルトラC
 的な提案(自分で言うのも何ですが)もあるので、“全国提案”用として、
 いずれ公表するつもりです。


       −「コンパクト庁舎」構想−

1.概要・狙い
  庁舎建て替えを行政改革のよいチャンスととらえ、徹底的な行政改革
 ムダの排除・合理化を、あらゆる面から進めていく。
  その結果として、徹底的に「合理化した庁舎」「ムダのない庁舎」
 「小さな庁舎」をつくり上げる。
  もちろん、経費は最小となるはず。

2.活用する手法
 ①民営化
   例えば、先日法案が成立した「市場化テスト」を徹底的に使ったと
  すると、20%程度の人員削減につながる(某シンクタンクの試算)。
   これを豊島区でやれば、職員20%減分の庁舎スペース削減に結び
  付けられるはず。
 ②情報化(IT化)
   各種申請・書類の交付等を、「役所に来ないで自宅のパソコン等で
  済ませる」ことを徹底的に進めれば、大幅な人員削減・スペースの削減
  が可能になるはず(来る人が減れば、待合スペースが少なくて済む)。
   *韓国のソウル市江南区では、徹底したIT化の推進で、区役所への
    訪問者が70%も減った!
 ③コールセンター
   電話で用件を済ませるコールセンターを開設・徹底活用すれば、
  区役所への訪問者減・効率的なサービス提供が可能になり、それが
  上記の“削減”にも結びつくはず(どうしても役所に来る必要がある
  場合でも、用件の絞込み・相談の予約などで、大きな合理化ができる)。
 ④稼働率が低い部分は外に出す。必要な機能以外は極力削る。
 
3.「コンパクト庁舎構想」による豊島区新庁舎の姿は?
  上記をもとに試算すると、次のような姿(規模)になります。
 (現庁舎・区の新庁舎案との比較。単位:㎡)

        現庁舎  区の提案  コンパクト庁舎構想
 ①議会関係  1,369   2,600     0(*注1)
 ②行政関係  10,332   14,050    約7,100(*注2)
 ③多目的施設  141   2,000      141(*注3)
 ④共用部分  7,468   11,350    約5,000(*注4)
   合計   19,310   30,000    約12,000
 
  *注1:議員は職員のように“常駐”している訳ではないからそれ用の
      スペースは稼働率小。閉校となった学校にでももっていける。
  *注2:新規採用の抑制に人員減に、「市場化テスト効果」を加える。
  *注3:明確な削減ポイントがないため、現状維持とする。
  *注4:注2と同様の考え方。

結論として、今よりもさらに削減できるということです。
また、この「合計12,000㎡」という数字、仮に区が言うように旧日出小跡地
で建てるとすれば、区が再開発で「区有地分」としてタダで入手できる
床面積12,000㎡に相当します。つまり、このコンパクト庁舎構想を旧日出小跡地
でやれば、本当に「タダの庁舎」が実現するということになります。


なお、新庁舎の位置については、今回の私案では特定しませんでした。
これだけコンパクトな姿になれば、いろいろなところへの“移転”が可能に
なるはずですから、もう一度徹底的な議論をして決めてもよいと考えたことに
よります(しかし、いずれ、私なりの結論は出します)。