「コトバの領収書」!?

6月6日の日経ビジネスオンラインの記事で、ちょっと印象に残るもの
がありましたので紹介させていただきます。


題して「コトバの領収書」なる文章です。


他人と会って話をした時、印象に残る言葉を聴けることが時々あります。
そうした時、以下の文に登場する高橋氏は、その言葉をメモして自分の
中に残しておくだけでなく、言葉を発した相手に自分の印象を残す
ための有効なツールとして、「確かに良い言葉を聞かせていただきました」
との証拠として、「コトバの領収書」を発行し、その場で相手に渡すのだ
そうです。


これをやると、相手に対する高橋氏の印象が非常に強いものとなり
(しかも好印象)、その後の様々な交渉に好影響をもたらすとのことです。


セールステクニックの一つと言ってしまえばそれだけかもしれませんが、
これを実践して成果をあげているということに非常に刺激を受けました。


相手に対して自分の印象を強くする方法としては、
①話の内容を魅力あるものにする。
②自分の醸し出す雰囲気で印象を大きくする。
 (“オーラ”というのもこの一種でしょうか?)
などが一般的だと考えていましたが、こんな“正攻法”を考えかつ実践
していることに素直に感心した次第です。


これをその通りやるかどうかは別として、自分にとっての身近な課題を
再認識しました。


以下、記事の文章
 ↓

とある会合で「コトバの領収書」なるものをいただきました。
 領収書をもらう、ということは相手に対して金銭の支払いがあった、
ということですが、頭に「コトバ」とついていることから分かるように、
相手に“支払った”コトバに対する領収書です。


 この領収書を発行してくださったのは、プレジデンツ・データ・バンク
株式会社の高橋礎(はじめ)社長。


 高橋社長は、もともとは自分史ビデオの制作会社としてスタートした
ものの、まったく仕事が取れずに苦労していました。そんな折、何気なく
始めた「コトバの領収書」という取り組みが絶大なる効果を生み出したと
言います。


 「コトバの領収書」とは、初めて商談にいった先などで、特に心に残った
相手の言葉をその場で書き記して、「(そのコトバ)確かに受け取りました」
という証明として相手に手渡すというもの。


 以下は高橋社長の言葉です。


 ある方から『いい言葉を聞いたら、領収書(=礼状)を書かないと
いかんぞ』といわれたんです。それならば、ほんとうに領収書を
持ち歩いて、その場で渡せばウケそうだし、手紙より続くなあ、と思った
のです。


 後日、『あのとき、コトバの領収書を渡した者です』と電話すると、
100%覚えておいてもらえ、間違いなくアポイントがとれます。この領収書
をきっかけに発生した仕事は数千万円以上。とくに経営者は言葉を大事
にしますからね。『社長殺しツール』といえるでしょう(笑)


 「コトバの領収書」誕生の経緯をうかがっているうちに、これも1つの
セレンディピティだな、と思いました。


 当初の目的である自分史ビデオの制作はうまく行かなかったものの、
その副産物として偶然生まれた「コトバの領収書」が数千万円の仕事を
もたらしたわけです。


 ちなみに、私が高橋社長に“お支払いした”コトバは「セレンディピティ
でした。まさか領収書が発行されるとは思わず、雑談の中でたまたま
セレンディピティ」の話をしていたのが高橋社長のコトバアンテナに
引っかかったようです。そして、この「コトバの領収書」そのものも
セレンディピティの産物であったという偶然もまた、セレンディピティ
でした。


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                            (大橋 悦夫)

注)セレンディピティserendipity
   お恥ずかしい話ですが、日野は初めてこの単語を知りました。