「行政経営フォーラム」

 4月15日、行政経営フォーラム(http://www.pm-forum.org/)の例会に参加しました。

 
 同フォーラムは、慶応大学の上山信一教授が主催するもので、その名の通り、
「行政経営のあり方」を追求することが大きな目的です(と、私は理解しています)。


 会員には様々な職業の方がいるようですが、例会等に参加したり活発に動くのは、
どうも公務員(国・地方とも)の方が多いようです。
 それも、お世辞抜きで「仕事に前向き」「仕事に熱心」な公務員の方ばかりが
全国各地から集まっている感じで、その“異様な”(プラスの意味でこの言葉を
使っています。世の「公務員バッシング」などとは無縁の方ばかりなので、“普通”
と違うという意味)エネルギー・雰囲気には正直驚きましたし、大いに刺激を
受けました。


 さて、今回の例会を通して考えたことです。


その1。「人(=公務員)は本当に変わるか?そして、それは役所を変えていくか?」
 意欲と能力のある公務員が集まり、それが大きなネットワークの形成につながって
いけば、間違いなく人も役所も変わるはずです。その見本と可能性を示しているのが
このフォーラムだと考えます。
 参加者の一人が、職場の中では自分は“異端”だというこようなことを言って
いましたが、一人しかいなければ“異端”なのでしょうが、“異端”がたくさん
集まれば、それは“異端”ではなくなります。
 このフォーラムは、全国の自治体に「有益な“異端”」を供給する元締め(?)に
なるような気がします。
 *残念なのは、会員の中に豊島区の職員がいないことです(おそらく)。
  豊島区の職員には“正統派”が多い?


その2。「首長が変わるのと、職員が変わるのとでは、どちらが『改革への影響度』
     が大きいか?」
 今回の例会の中で、先進的な改革の取り組みで知られる前佐賀市長・木下敏之
(http://www.kinoshita-toshiyuki.net/index.html)の講演がありました。
 講演後の質問で、上山教授から、木下氏というカリスマ(改革に向けた意欲・
能力が優れているという意味)がいなかった場合、木下氏が成し遂げたような
佐賀市の改革は可能だったか、という趣旨の質問がありました。
 これに対する木下氏の答えは「No」です。
 自治体の意思決定も政治権力の影響を受ける以上、「トップが誰か?」でその
あり方が大きく変わるのは、当たり前と言えば当たり前です。
 その意味で、私はやはり「トップのあり方」が役所のあり方を変える一番大きな
要素だと改めて考えました。


その3。「以上の2点から考えたこと」
 この2つから、理想の自治体改革は、改革への意欲・能力に秀でた「首長」と
「職員」のミックスということになります。
 そして、とりあえず現行制度を無視して考えると、全国の多くの自治体を変えて
いくには、この両者をセットにして“移籍”可能とし、一定の期間ずつ、次々と
自治体を変えていくこと、ということになります。
 もしこのような職業集団ができれば(=コンサル?)、日本の自治体改革の
内容と速度が大きく変わると考えられます。