「議員バッジ廃止」「(職員による)お茶出し廃止」の陳情に対する意見

 本日が、豊島区議会第1回の最終本会議日のため(追加案件があって、本当の最終は
31日になりましたが)、各議案に対する全議員の最終的な賛否が表明されました。


 昨年来お伝えしている「議員バッジの廃止」「会議での、議員等へのお茶出し廃止」に
ついては、賛同した区民の方から陳情をお出しいただいています。
 これまでの議会の委員会審議では、「継続審議」(聞こえはよいが、たなざらしにして、
もう審議しないとの意味が強い)とされてしまいましたので、今日、私の意見表明を行いま
した。
 以下が、その意見表明の内容です。


 今回の件を機に、「議員の常識は“世間”の非常識」となる事象をどんどん提起し、
議会改革につなげていきたいと考えています。


 以下、私の意見表明の内容
   ↓

 私は、18陳情第11号「議員バッジの廃止を求める陳情」、並びに、18陳情第12号
「委員会等でのお茶出しの廃止を求める陳情」、に対し、議会運営委員会での閉会中の継続
審査との結論に反対し、採択すべきとの立場で討論を行います。


 以下、各陳情についての審議内容について、そして、両者に共通して考慮すべき点に
ついて、述べてまいります。

 
 最初に、「議員バッジの廃止を求める陳情」について述べます。
 陳情者は、「議員バッジがなくても議員の活動に支障があるとは考えられません。なくて
はならない理由・必然性があるのでしょうか」と述べていますが、私はまさにこの点が
ポイントだと考えます。


 議会運営委員会の審議の中で、何人かの委員から、「議員バッジがあると区民が声を
掛けてくれる」とか「初当選の頃は、バッジの有無で職員の態度が違った」など、それなり
のバッジの存在理由が示されましたが、陳情の文章にある「バッジがなければ議員活動に
支障が出る」とか「なくてはならない理由・必然性があるか?」については、どなたも述べ
ておられませんし、大体本気で「バッジがなくてはならない理由」など示せるはずもない
ものと私は考えます。
 もともと筋の通らないことに対し、無理に筋の通ったように言いたてることを
「こじつけ」と言いますが、議会運営委員会で示された存在理由などは、まさにこれに当る
ものと言えます。
 また、ある委員からは「他に議論をすべきことがあるはず」との意見が出されましたが、これでは区民から出された真摯な陳情にまともに答えているとは言えません。私の認識では、少なからぬ数の区民が、この問題に誰がどう答えるか、関心をもっています。逃げ口上に終始せずにまともに答えるべきです。


 次に、「委員会等でのお茶出しの廃止を求める陳情」について述べます。
 私が考えるこの陳情のポイントは、陳情文の中の、「行政改革の基本は、『やらなくても
よい業務・やめても支障のない業務はやめる』ことだと考えます。お茶出しがなくなったと
しても、区政の運営・区議会の運営に重大な支障が出るとは考えられません」という点に
あるものと考えます。
 単に、「議員の特権であるかないか」というような上辺の議論の点から考えるべきでは
ありません。
 議会運営委員会での審議中、ある委員より、「お茶出しが特権・既得権との取り上げ方は
意にそぐわない」という旨の発言がありましたが、これなどはまさに陳情の本質を理解
しない上辺の議論にとらわれた考え方だと言えます。
 また、別の議員からは、民間企業でも女子社員がお茶を出してくれるところがあるので、
特権と考えるほどではない」という旨の発言がありました。私がこの発言を複数の区民の方
に伝えたところ、「区役所の職員の待遇を厳しく指摘する一方で、議員に関わることに
ついては甘い判断基準を用いるのか」との意見がありました。私は、まさに「他山の石」
としなければならないと考えた次第です。


 なお、この陳情に対しては、一つの会派より採択すべきとの意見が出されました。
 昨年の正副幹事長会で私が問題提起させていただいた時は、どの会派からも賛同が得られ
なかったのですが、それに比べると、大きな進歩と言えます。
 豊島区議会がよりよい進化の方向に歩み始めたものと考えると、それだけでも今回の陳情の意義は大きかったと言えます。


 最後に、2つの陳情に共通して、申し上げます。
 大部分の議員の方は、行政改革・合理化等を主張しておられますが、自分の身の周りの
改革・合理化を図らずに、他人にだけ言いたてるという姿勢は、区民の眼から見て適切では
ない、と私は思います。

 
 この点を考える時、2つの陳情に賛成なさらない方々と、私との違いは、次の2つにあるような気がします。1つは、「区民のどれだけ多数がこの種の問題に関心を示すか」と
いう、多数についての感覚の違いです。
 もう1つは、議会と区民の感覚との間にどれだけの温度差があるか、という温度感覚の
違いです。

 私は、この多数感覚と温度感覚の2つの点で、私と他の方々のどちらの考え方が適切か、
今後、多くの区民の方々に大いに問い掛けていきたいと思います。

 以上、討論を終わります。