書評:「いなかのせんきょ」を読んで

 本屋で見つけた「いなかのせんきょ」(祥伝社)を読みました。

 パロディー調の文章で大いに笑えるところが多く、一気に読める本ですが、
過疎化が進む村の状況や泣かせる人間模様など、結構面白い内容です。

 ストーリーはと言うと、人口2千人ほどの戸陰村(とかげむら)の村議・
深沢清春が助役の平山忠則に請われる形で村長選挙に出馬したところ、
無投票当選のはずが、対抗馬が現れ、しかもその対抗馬が当の平山氏
でした。
 しかも、平山陣営に村の有力者がことごとくついたため、絶体絶命の
選挙戦を地道な努力とちょっとした奇策で戦っていく物語です。

 
 さて、面白い中でも考えさせられたことがあります。
 それは選挙のとらえ方・戦い方です。
 私のような組織とは無縁の人間は、自らが主張する正論と、それから期待
できる幾分かの“風”を頼りに選挙戦を戦うのですが、これだけではない
戦い方ができるのではないか、ということです。
 地域・有権者のタイプ等を幾つかに分類し、それに合わせた複数の戦法
を展開できればより有効なのでは、との思いを抱きました。

 ただ、まだ具体的な対策・戦法はこれからです。
 もし、この物語のような「(幾分かの)人間関係的戦い」をするとすれば、
「ターゲット(=対象となる人たち)に合わせたストーリーづくり」が必要
となるでしょう。

 いずれにしても、ちょっとした「気づき」があったのが成果と考えています。