福島・飯坂温泉の“期待の星”!? 「吉本はり紙昭和館」

 先日、私用で福島市に行ってきました。
 ちょっと時間があったものですから、市内の観光(?)を兼ねて、
懐かしい「飯坂温泉」で3時間ほど過ごしました。


 私は昭和36年仙台市の生れですが、当時の仙台の人間にとっては、
飯坂温泉」はちょっとしたリゾート(現代風に言えば)のように
感じられていたと思います。
 仙台で「温泉」と言えば、まず近場の「作並」「秋保」です。
 そこから一歩足を延ばして、「ちょっとした旅の気分を味わいながら
温泉気分に浸る」のが「飯坂温泉」だったのではないでしょうか。


 「作並」「秋保」「飯坂」とも、今や昔ほどのにぎわいはないと言われ
ます。


 そんな中、飯坂温泉活性化策の一つとして、吉本興業の若手芸人との
連携を耳にしていましたので、実演場である「吉本はり紙昭和館
http://www.iizakayoshimoto.com)を見に行った訳です。


 4人の若手が金・土・日の各日4回の公演をこなし、立ち寄った地元の
商店街でも、タイアップの雰囲気をあちこちで見聞きしました。


 さて、以下は公演の感想です。


 確かに、「吉本の第一線」ではない若手ですから、ベストの公演を
皆が期待している訳ではありません(率直な話で、彼らには申し訳あり
ませんが)。
 でも、「もっと面白いはずなのに」という、公演を見ての不満(?)が
残った感じがあり、それが何なのか、数日考えていました。


 まだ結論は出ていませんが、そのポイントは、「飯坂に“同調”し過ぎ
ている」ということなのではないかと考えます。


 公演のコンセプトとして、「飯坂温泉が流行った昭和30〜40年代の雰囲気
を演出する」との説明がありましたが、それは今のお客さんに受けるもの
ではないような気がします。


 やはり「寂れる」には「寂れる」理由があるのであり、「寂れる」雰囲気
を引きずっていては、新たな活性化は難しいのではないでしょうか。
 むしろ、飯坂とは異質の、彼らなりのオリジナリティーを醸し出し、それ
が新しい息吹をもたらす形にした方が、双方にメリットがあるような気が
します。


 「地域の再生」「地方の活性化」が各地でテーマとなる中、そのあり方
を深く考えるヒントになったような気がしています。


 しかし、そうは言っても、私が観たのはまだ1回だけですので、「味わい」
と「思索」を求めて、また行ってみようと思います。
 飯坂では、こんな素敵な若手芸人のハッスル演技が観られます。