日中首脳会談と北朝鮮核実験宣言の関係

外交問題に関する“仮説”との条件つきで、以下のメールが送信されて
きました。要点は、
 ・北の核実験宣言は中国が仕組んだものである。
 ・訪中が決まってから(=日本側が引くに引けない状況になってから)
  特定の状況を作り出せば、交渉を有利に運ぶことができる。
 ・実際の会談で、「北朝鮮の核実験をやめさせるから靖国不参拝宣言
  をするべき」と言われたら、安倍総理も真剣に検討せざるをえない。
というものです。
真偽のほどは別として、外交交渉の手段と考えると、十分にありそうな
気がします。


ただし、「だから核実験宣言は単なるブラフだ」と考えるのも早計のよう
です。


9月7日の日経ビジネスオンラインに掲載されたので、ご存知の方も
いらっしゃるかもしれませんが、防衛庁武貞秀士氏の見方では、
「核実験は必ず行われるし、今後も続く」とのことです。
根拠は(以下は私の理解です)、
①北には、核兵器とミサイルをセットで開発してそれを活用する明確な
 国家目標があるため、“目先の利益”で核開発をやめることはない。
②その国家目標とは、北が主導する形で南北朝鮮を統一することである。
 (=南の豊かな諸資源を“丸ごと”いただく)
③統一に至る条件・環境としては、南北融和を演出して韓国民を抱き
 込み、同時に在韓米軍を撤収させることである。
 *恐ろしいことに、これは着々と進行しています。現政権は「太陽政策
  を進めていますし、韓国側も米国側も在韓米軍の削減を進めている
  のは周知の通りです。
④こういった南北統一の過程で障害になるのは米国だが、米国本土に
 届く核兵器を手にできれば、米国を軍事的に牽制できる。


もっとも武貞氏は、この見方を、
「日本の隣に、核ミサイルと技術力を持ち、金正日を大統領に頂く人口
7000万の国家ができる」として、日本にとってのワーストケースとして
います。


以下、メールの内容
 ↓
日中首脳会談と北朝鮮核実験宣言との関係について
仮説1.北朝鮮の核実験強行宣言は安倍・胡錦濤会談の主導権をとる
     ために中国共産党が仕組んだもの
 ・北朝鮮の核実験強行宣言は、絶妙な、あまりにも絶妙なタイミングで
  おこなわれました。
  日経ネットで動きを追うと下記の通りです。
  (9/29)首相の中韓歴訪、10月7―10日を軸に最終調整へ
  (10/1)首相、8日に中国訪問・韓国歴訪も固まる
  (10/2)「訪中調整中」安倍首相が初めて明言
  (10/3)北朝鮮「核実験実施する」と声明
  (10/4)安倍首相、中国トップ3と会談へ・訪中日程固まる
  (10/4)中国、経済制裁をけん制・北朝鮮の核実験予告
  (10/4)安倍首相「関係国と連携し対応」・北朝鮮の「核実験」声明
  (10/4)中韓首脳、13日に会談・北朝鮮「核実験」声明
  (10/5)中国外相「核実験強行は重大な結果招く」
  (10/6)北朝鮮、今週末にも核実験強行か・日米高官が一致
仮説2.今回の安倍訪中の話は、中国外交部が意図的にリークした
     ことから始まった
    (これは中華外交の常套手段で、中国側が会談日程を自分達の
    都合に応じて設定し、相手を無理やりに呑ませます)そして日程が
    決まると、中国側に有利な環境を作り出します。今回も安倍訪中
    が決定した後に、北朝鮮が核実験強行を宣言しました。
仮説3.これで胡錦濤中共総書記は北京にやってきた安倍総理に対し、
     北朝鮮の「暴発」抑制を取引材料とすることで、安倍総理に対し
     強い立場で交渉に望めます。安倍総理も、胡錦濤から
     「靖国不参拝を宣言すれば北朝鮮を押さえることを考えますよ」
     と耳元で囁かれたら、靖国不参拝を宣言することを真剣に考え
     ざるを得ません。